品質管理 品質管理

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アドバンテストグループ品質方針

発想の原点は『お客様の満足度』

設計上流工程からの品質作りこみと、
ものづくりプロセスの全体最適化を推進し、
お客様に喜ばれる商品をタイムリーに提供する。

品質管理体制

アドバンテストは、『お客様の満足度向上』を品質方針として、国際規格である ISO9001 に適合した品質マネジメントシステムを全社的に構築し、運用しています。

トップマネジメントによる統括の下に、品質保証本部長を責任者として全社的な枠組みで推進組織を整備し、システムの維持・改善に努め、『お客様の満足度向上』を目指しています。また、独立した内部監査の仕組みを構築し、定期的に内部監査を実施することによって、継続的にシステムの維持・改善を図っています。

SQE活動

当社グループでは、「製品の品質を支える部品、その一点一点が高い品質であることが必須」、そんな想いから、サプライヤーの皆様にご協力いただき、部品採用段階から SQE (Supplier Quality Engineering) 活動を展開しています。SQE活動とは、専門家チームによる部品品質向上を目指す活動です。当社の製品には、航空機(20万~300万点)に匹敵するほどの部品が使用されているため、部品品質を確保する活動が極めて重要となります。

SQE活動のコンセプトは、以下の3つです。

  • よい部品の選定:複数の同一性能の部品について、社内で良品解析や評価等を行い、よりよい品質の部品を選定する。
  • PDCAによる品質改善:部品の設計段階から製造段階にいたるまでPDCAサイクルによって、量産前に改善を実施、それ以降も継続して活動する。
  • 裕度を確保した設計の推進:部品の規格よりも、裕度をもった設計を基準化し推進する。

このように、製品開発段階からSQE活動を展開することにより、製造工程における部品起因のトラブル、部品問題の市場流出リスクを低減し、ロスの大幅な低減に貢献しています。この成果は当社製品のエンドユーザ様工程内での安定稼働という形でも現れ、より安心してお使い頂ける安心感にもつながってきます。
また、部品起因の不具合発生を低減することで、交換され棄却される部品が減り、環境負荷低減にも寄与しています。

製品の安全・品質の確保

アドバンテストは、現代社会においてますます重要視される製品の「安全性」を、より高度なものとすることを目的として、1995年5月に「アドバンテスト製品安全憲章」を制定しました。

当社では、上記目的を達成するため、「製品安全推進規定」を制定し、当社製品の安全性向上を推進する組織として全社委員会の設置を定めています。同委員会は、1995年5月から現在まで継続して製品の安全性向上のための活動を継続しています。

ソフトウエアの品質向上に向けた取り組み

アドバンテストは、ソフトウエアの品質向上に向け、継続的に取り組んでいます。テスト・システムやハンドラなどの装置を制御するためのソフトウエアに対しては、品質保証部門が開発工程計画を確認後、開発と並行して成果物である仕様書をリアルタイムに審査し、開発上流工程の段階から品質の確保に努めています。審査は開発終了までに実施され、品質基準に達しているかを確認後、出荷しています。

また、当社は2012年より、開発部門の協力を得て「トヨタ開発方式*1」を活用したプロセス改善活動を実施しています。この活動は、設計検討プロセスにおけるレベルを改善し、高品質の設計を行うことによって、高品質かつ高スループットの製品開発を可能にします。当社はこの活動を通じて、よりよい製品のタイムリーなデリバリを実現しています。

*1 出典: "トヨタ製品開発システム" James M. Morgan、Jeffrey K. Liker著

アベイラビリティ

アドバンテストは、お客様の生産性向上に寄与するために、「故障しにくく、故障しても直ぐに復旧」できるアベイラビリティの高い製品をお届けしています。アベイラビリティとは、製品の信頼度を表す指標の一つで、「ある期間に装置が稼働可能な時間の割合」です。当社グループでは、MTBF向上*1(装置をある時間使用しても故障しないこと)、MTTR低減*2(故障した時に修復しやすいこと)に取り組むことで、高いアベイラビリティを提供し、お客様の満足度の向上を図っています。

*1 MTBF向上:MTBF: Mean Time Between Failure 故障から次の故障までの平均的な間隔

*2 MTTR低減:MTTR: Mean Time To Repair 修理に費やされる平均的な時間

設計品質の向上に向けた「デザイン・レビュー制度」

アドバンテストの製品には、常に高機能・高性能・高品質が要求されており、これを実現するための回路は日増しに大規模化、複雑化しています。その一方で開発工期の短縮も求められ、当社では、これらの要求に応えるためには、設計の上流段階での品質のつくり込みと早期の問題抽出が最重要であると考えています。そして、これを実現するための仕組みとして、2008年より新たなデザイン・レビュー制度を導入しました。

  • 製品開発開始時に、プロジェクト・リーダーがデザイン・レビューの実施計画を立案し、確実にデザイン・レビューを行う仕組みに変更。
  • 指摘事項を「見える化」し、担当者やプロジェクト・リーダーに加えて品質保証部門も残件を監視してフォローアップ漏れが防止できる仕組みに変更。
  • 社内の有識者を専門分野ごとに組織化し、関連したデザイン・レビューには有識者が参加する「デザイン・レビュー・マイスター制度」を導入。これにより、デザイン・レビューでの検出率を高めるとともに、技術継承や教育効果も得られる運用を推進。

こうした活動の結果、近年では設計段階での問題抽出率が向上し、これに伴って後工程への問題流出数が減少したため、後戻りが少なくなり開発遅延を最小限に抑えるなど、一定の成果を挙げています。また、新しいデザイン・レビューでは、設計品質向上と開発工期短縮の成果を挙げましたが、その一方で設計者本人が検出すべき問題が、デザイン・レビューや後工程に流出してしまうという課題も散見されるようになりました。

当社では、これらの流出した問題の分析とフィードバックを行い、仕組みを改善していますが、今後はデザイン・レビュー前の事前確認の徹底を通じて、より高い設計品質を実現するための設計プロセスを構築していく計画です。