製品責任への対応
製品責任への対応のマテリアリティ
マテリアリティ「顧客の安全衛生」へのアプローチ
現代社会において製品の安全性はますます重要視されています。この社会的な期待に対して、より高度に対応していく継続的な取り組みが重要だと認識しています。
担当部署 | QA、Field Service |
---|---|
KPI | 安全性に関する自主規範違反件数 |
2018年度目標 | 0件 |
2016年度実績 | 0件 |
バウンダリー(対象範囲) | アドバンテストグループ |
関連する方針 | アドバンテスト製品安全憲章、製品安全推進規定 |
関連するコミットメント | ― |
責任部署・部門 | PL委員会 |
関連する苦情処理制度 | ― |
評価 | ○ |
マテリアリティ「製品サービスに関するコンプライアンス」へのアプローチ
製品やサービスに関連する法律の遵守は、企業にとっての社会的責任であり、幅広い意味での品質管理になると考え、重要だと考えています。
担当部署 | QA |
---|---|
KPI | 製品/サービスに関するコンプライアンス違反件数 |
2018年度目標 | 0件 |
2016年度実績 | 0件 |
バウンダリー(対象範囲) | アドバンテストグループ |
関連する方針 | アドバンテスト製品安全憲章、製品安全推進規定 |
関連するコミットメント | ― |
責任部署・部門 | PL委員会 |
関連する苦情処理制度 | ― |
評価 | ○ |
アドバンテストグループ品質方針
発想の原点は『お客様の満足度』
設計上流工程からの品質作りこみと、
ものづくりプロセスの全体最適化を推進し、
お客様に喜ばれる商品をタイムリーに提供する。
品質管理体制
アドバンテストは、『お客様の満足度向上』を品質方針として、国際規格である ISO9001 に適合した品質マネジメントシステムを全社的に構築し、運用しています。
トップマネジメントによる統括の下に、品質保証本部長を責任者として全社的な枠組みで推進組織を整備し、システムの維持・改善に努め、『お客様の満足度向上』を目指しています。また、独立した内部監査の仕組みを構築し、定期的に内部監査を実施することによって、継続的にシステムの維持・改善を図っています。
SQE活動
当社グループでは、「製品の品質を支える部品、その一点一点が高い品質であることが必須」、そんな想いから、サプライヤーの皆様にご協力いただき、部品採用段階から SQE (Supplier Quality Engineering) 活動を展開しています。SQE活動とは、専門家チームによる部品品質向上を目指す活動です。当社の製品には、航空機(20万~300万点)に匹敵するほどの部品が使用されているため、部品品質を確保する活動が極めて重要となります。
SQE活動のコンセプトは、以下の3つです。
- よい部品の選定:複数の同一性能の部品について、社内で良品解析や評価等を行い、よりよい品質の部品を選定する。
- PDCAによる品質改善:部品の設計段階から製造段階にいたるまでPDCAサイクルによって、量産前に改善を実施、それ以降も継続して活動する。
- 裕度を確保した設計の推進:部品の規格よりも、裕度をもった設計を基準化し推進する。
このように、製品開発段階からSQE活動を展開することにより、製造工程における部品起因のトラブル、部品問題の市場流出リスクを低減し、ロスの大幅な低減に貢献しています。この成果は当社製品のエンドユーザ様工程内での安定稼働という形でも表れ、より安心してお使いいただける安心感にもつながってきます。
また、部品起因の不具合発生を低減することで、交換され棄却される部品が減り、環境負荷低減にも寄与しています。
製品の安全・品質の確保
アドバンテストは、現代社会においてますます重要視される製品の「安全性」を、より高度なものとすることを目的として、1995年5月に「アドバンテスト製品安全憲章」を制定しました。
当社では、上記目的を達成するため、「製品安全推進規定」を制定し、当社製品の安全性向上を推進する組織として全社委員会の設置を定めています。同委員会は、1995年5月から現在まで継続して製品の安全性向上のための活動を継続しています。
2016年度は、主力10製品に関して、社外の専門機関に安全性・耐久性検査を依頼しました。
その結果、安全仕様の改修や改善が必要と指摘された案件はありませんでした。
なお、2016年度も製品安全推進規程に示された基準に違反する事例はありませんでした。
ソフトウエアの品質向上に向けた取り組み
アドバンテストは、ソフトウエアの品質向上に向け、継続的に取り組んでいます。テスト・システムやハンドラなどの装置を制御するためのソフトウエアに対しては、品質保証部門が開発工程計画を確認後、開発と並行して成果物である仕様書をリアルタイムに審査し、開発上流工程の段階から品質の確保に努めています。審査は開発終了までに実施され、品質基準に達しているかを確認後、出荷しています。
また、当社は2012年より、開発部門の協力を得て「トヨタ開発方式*1」を活用したプロセス改善活動を実施しています。この活動は、設計検討プロセスにおけるレベルを改善し、高品質の設計を行うことによって、高品質かつ高スループットの製品開発を可能にします。当社はこの活動を通じて、よりよい製品のタイムリーなデリバリを実現しています。
*1 出典: "トヨタ製品開発システム" James M. Morgan、Jeffrey K. Liker著
アベイラビリティ
アドバンテストは、お客様の生産性向上に寄与するために、「故障しにくく、故障しても直ぐに復旧」できるアベイラビリティの高い製品をお届けしています。アベイラビリティとは、製品の信頼度を表す指標の一つで、「ある期間に装置が稼働可能な時間の割合」です。当社グループでは、MTBF向上*1(装置をある時間使用しても故障しないこと)、MTTR低減*2(故障した時に修復しやすいこと)に取り組むことで、高いアベイラビリティを提供し、お客様の満足度の向上を図っています。
*1 MTBF向上:MTBF: Mean Time Between Failure 故障から次の故障までの平均的な間隔
*2 MTTR低減:MTTR: Mean Time To Repair 修理に費やされる平均的な時間
設計品質の向上に向けた「デザイン・レビュー制度」
アドバンテストの製品には、常に高機能・高性能・高品質が要求されており、これを実現するための回路は日増しに大規模化、複雑化しています。その一方で開発工期の短縮も求められ、当社では、これらの要求に応えるためには、設計の上流段階での品質のつくり込みと早期の問題抽出が最重要であると考えています。そして、これを実現するための仕組みとして、2008年より新たなデザイン・レビュー制度を導入しました。
- 製品開発開始時に、プロジェクト・リーダーがデザイン・レビューの実施計画を立案し、確実にデザイン・レビューを行う仕組みに変更。
- 指摘事項を「見える化」し、担当者やプロジェクト・リーダーに加えて品質保証部門も残件を監視してフォローアップ漏れが防止できる仕組みに変更。
- 社内の有識者を専門分野ごとに組織化し、関連したデザイン・レビューには有識者が参加する「デザイン・レビュー・マイスター制度」を導入。これにより、デザイン・レビューでの検出率を高めるとともに、技術継承や教育効果も得られる運用を推進。
こうした活動の結果、近年では設計段階での問題抽出率が向上し、これに伴って後工程への問題流出数が減少したため、後戻りが少なくなり開発遅延を最小限に抑えるなど、一定の成果を挙げています。また、新しいデザイン・レビューでは、設計品質向上と開発工期短縮の成果を挙げましたが、その一方で設計者本人が検出すべき問題が、デザイン・レビューや後工程に流出してしまうという課題も散見されるようになりました。
当社では、これらの流出した問題の分析とフィードバックを行い、仕組みを改善していますが、今後はデザイン・レビュー前の事前確認の徹底を通じて、より高い設計品質を実現するための設計プロセスを構築していく計画です。
お客様の満足度(CS)向上に関する基本方針
アドバンテストの発想の原点は「お客様の満足度向上」です。「設計初期段階からの品質のつくり込み、ものづくりプロセスの全体最適化の推進、お客様に喜ばれる商品のタイムリーな提供」を全社共通の品質方針に掲げ、性能のみならず環境、安全にも配慮した高品質な製品の提供に努めています。設計・製造・販売・サービスなど、あらゆる分野において、常にお客様の満足度向上を目指し、これからもお客様の視点に立った、さらなる品質保証、サービス、サポートの提供をグローバルに展開していきます。
CS向上を支えるセールス/マーケティング体制
近年の半導体関連市場は、スマートフォンの高機能化と販売台数拡大、自動車電装化の進展、データセンター関連投資の伸びなどを背景とした設備投資が加速するなど、市場の需要変動がこれまで以上に大きくなっています。当社においても、市場状況を的確に把握し、需要の急激な変動に対応することが重要な課題となっています。その一環として、2016年12月に、事業部門のマーケティング部門を営業本部に統合しました。
マーケティング部門の統合により、市場や顧客の要求をタイムリーかつ的確に把握でき、その要求を事業部門へフィードバックすることで、より効率的な製品開発と顧客への提供が可能となりました。
この施策を通じて、お客様の満足度のさらなる向上を目指していきます。
セールス/マーケティングにおけるCS向上活動
アドバンテストがサポートする半導体業界は、次世代テクノロジーの開発競争が大変激しい業界です。アドバンテストは、お客様にテスト・ソリューションを提供するだけでなく、最新の技術・製品情報を共有するイベント「VOICE -Advantest Developer Conference」をパートナー企業と共に毎年開催しています。10回目の節目開催となった2016年度の「VOICE Developer Conference」は太平洋を挟んだ新たな2会場、カリフォルニアのサンディエゴで5月に、また今回初めて台湾の新竹で同じく5月に開催されました。 新スポンサー7社、新規参加企業44社など、今回のVOICEには過去最大規模となり、参加者数は昨年を50%近く上回りました。また、一新されたモバイルアプリが両会場に導入され、74,000件以上のアクセスを数えました。
2017年度は、アメリカと中国で開催予定であり、より充実した内容を提供できるよう活動していきます。
講演の様子
また、当社製品の最新情報を紹介し、お客様との交流を深める場として世界各地でテクニカルセミナーも開催されました。2016年6月にイスラエルのテルアビブで、同年10月には台湾の新竹で、同年11月にはフィリピンのマニラで、同年11~12月には東京、中国(上海、北京、西安、深セン)で開催され、多くのお客様にご出席いただきました。
今後もお客様のニーズをくみ取り、コミュニケーションを深める活動をグローバルに展開し、CS向上に向けて取り組んでいきます。
カスタマサポートの推進
アドバンテストは、グローバルな視点によるサービスビジネスの再構築を目指し、カスタマサポートに関する基本方針を定めています。
基本方針の概略は、以下の通りです。
<カスタマサポートの基本方針>
- お客様のデバイス測定を最大限に効率化するため、トータルソリューションによるサポートパッケージを提案します。
- お客様のビジネスモデルに合わせて、開発から量産環境まで一貫したサービスサポートを提案します。
- お客様のご要望にお応えできる、トータルソリューションを実現するサービスサポートパッケージを提案します。
- つねにお客様視点に立ち、ソリューションの提供をグローバルな体制で展開します。
- 効率性のみならず、環境、安全にも配慮した高品質なサービスサポートを提供します。
- 高付加価値なプロフェッショナルサービスを提供します。
- フィールドサービスにおける安全作業基準を順守し、作業安全を徹底させ、継続的に事故ゼロを目指します。
グローバル視点でのカスタマサポートの強化
当社は、お客様から寄せられるサービスサポートのご依頼やお問い合わせにお応えできるグローバルな体制を構築しています。各国のコンタクトセンタを通じて、電話やメールにより、日常的なサービスサポートにお応えするとともに、技術サポートやオンサイトによる修理を行うフィールドエンジニアによる1次サポートを実現しています。
また、サービスサポートの内容や難易度に適切に対応できるように、製品開発拠点には2次サポートを行うエキスパートサポートチームを配置しています。
さらに、世界中に展開するお客様の開発拠点から量産工場までカバーする、グローバルなサプライチェーンもサービスサポートの要と位置付け、海外・国内の各拠点における保守用機材の配備や使用の状況を逐次モニタし、お客様のご要望に適切にお応えできる体制をご提供していきます。
また、当社はサービスサポートを支えるエンジニアの技術スキルアップやサポート品質を高めるために、海外子会社と2次サポート部門の間で、エンジニアの交換プログラムを継続的に実施しています。本プログラムは、エンジニアの技術力、異文化対応力、コミュニケーションおよび語学力の向上を目的として、2~3年の長期におよぶプログラムです。また、お客様の量産環境における、生産性改善に関わる課題については、お客様のご要望に基づいてエキスパートによるコンサルティングやソリューションを提供しています。また、デバイス測定に関しても、お客様へのトレーニングおよび提案サービスを提供しています。
グローバルサポートの体制
VLSIリサーチ社のお客様満足度調査で「10 BEST」を29年連続受賞
VLSIリサーチ社「10 BEST」
アドバンテストは、お客様のニーズを的確に把握し、高性能かつ高品質なトータル・テスト・ソリューションをタイムリーに提供することを目指しています。
日々のビジネスから得られる情報に加え、半導体の市場調査で著名なVLSIリサーチ社のお客様満足度調査に毎年参加し、お客様のニーズの把握に努めています。当社は、この調査において、もっとも優れた10社に贈られる「10 BEST」を29年連続受賞しています。