環境リスク管理/化学物質管理
環境リスク管理の基本方針
事業活動で発生する環境負荷を抑制し、環境汚染などのリスクを未然に防止することは、企業の責任のひとつです。アドバンテスト・グループでは、環境法規制より厳しい自主基準値を設定し、環境影響の発生する設備の運用や監視・測定を実施しています。
また、万が一の事故発生時に、迅速に対応するため、設備の運用手順書や化学物質緊急時対応手順書などの環境リスクに対応するルールや管理体制などを整備しています。
さらに、リスクの高い作業に従事する社員や委託業者に対し、専門教育や緊急時訓練を定期的に実施し、スキルアップを図ることで、事故や緊急事態に迅速に対応できる人材を育成しています。
事業所の遵法管理
夜間避難訓練の実施
夜間避難訓練
アドバンテスト研究所/仙台工場では、2012年8月8日、21日の2日間、夜間避難訓練を実施しました。これは、東日本大震災の経験をもとに、従来、昼間のみに実施していた緊急時訓練を、交替制勤務に合わせて夜間に行ったものです。
夜勤中に大地震が発生しクリーンルームが停電したとの設定で、非常灯が点灯している中、安全を確保しながらの避難や行方不明者の捜索・救助など、災害発生時に起こり得る状況を想定した訓練を実施しました。
自然災害はいつ発生するかわかりません。アドバンテスト研究所/仙台工場では、今後も万が一の事態に備え定期的に訓練を行い、従業員が迅速かつ安全に避難できる体制を強化していきます。
なお、2012年度のアドバンテスト・グループにおける事故および苦情は0件でした。
化学物質管理の基本方針
アドバンテスト・グループでは、社内で使用する化学物質について、使用・保管における安全管理の徹底と法規制の遵守に取り組んでいます。
このために化学物質管理システムを使用しています。このシステムによって、化学物質の登録・安全審査・収支および法規制に対応した集計や、化学物質の安全な取り扱いに必須となるMSDSの常時閲覧が可能となっています。
また、リスク管理、化学物質管理の強化を図るために、安全教育体制の構築や化学物質の統括管理部署による保管場所監査、指導を実施し、安全管理体制のさらなる強化に取り組んでいます。
さらに、海外においても国内と同様の管理を目指し、グローバルな管理体制を構築していく予定です。
化学物質管理のレベルアップ ~より精度の高い管理を目指して~
厳重な薬品管理
容器単位での管理
化学物質教育資料
アドバンテスト・グループが業務で取り扱っている化学物質は、化学物質管理システムにより、容器単位で管理しています。PRTR法、毒劇法、労働安全衛生法、その他の法規制に該当する化学物質の管理レベルによって、管理ランクに分け、ランク毎の異なる管理方法を設定し、柔軟な対応を図っています。
薬品の危険性に応じた、より精度の高い管理方法へ
2012年度はさらに管理方法の見直しを行い、危険度の高い化学物質や大量に使用する化学物質について管理精度を上げる一方で、危険度の低い化学物質については、管理を簡素化するように管理方法を変更し、運用を開始しました。
全社員を対象にした化学物質一般教育の実施
また、従来より実施している、化学物質の安全管理についての専門教育と合わせ、2012年度からは、普段の業務で化学物質を取り扱わない社員を含む全社員を対象にした化学物質一般教育を、社内WEBを用いたe-Learningにより開始しました。
これは、身近な化学物質でも、誤った取り扱いが、思わぬ事故や、環境汚染を引き起こす可能性があること、普段の生活で使用している洗剤、接着剤、等でも、間違った方法で使用することにより、薬傷、失明、中毒等、大きな事故につながることもあること、また、それらのリスクを低減するための方法を理解してもらうことを目的に実施しています。
化学物質の管理ランク
ランク | 適用条件 | 施錠保管 | 収支管理 | 在庫確認 |
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4 | 毒性が極めて高い、社会的影響が大きいなどにより、取り扱いに国などへの登録が必要な物質 【例】 麻薬、覚せい剤、など | ◯ | ◯ | 法令に従う |
3 | 毒性が高く、紛失の際、届出などが必要な物質 【例】 毒物、劇物、など | ◯ | ◯ | 毎月 |
2 | 燃えやすい、腐食性が高い、慢性毒性があるなどの物質 【例】:有機溶剤、酸、アルカリ性物質、など | ◯ | ◯ | 半期 |
1 | 有害危険性は低いが大量に使用されるなどの理由により、管理が必要な物質 【例】 ハンダペースト、フロリナートなど | – | ◯ | – |