地球温暖化防止 地球温暖化防止

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基本方針

アドバンテスト・グループは、地球温暖化の抑制を企業の使命として、グリーン製品の提供や事業プロセスの革新により、温室効果ガスの排出削減に努めます。

当社グループでは、2020年までに地球温暖化ガスを1990年比で25%削減という国の中期目標に向けた、中長期的な省エネルギー対策を推進し、直近の課題として、改正省エネ法や条例に対応した体制づくりと省エネ対策を実施しています。

2012年度実績

第5期環境行動計画において「国内事業所のCO2排出量を生産高原単位あたり、1990年度比85%削減」を目標として設定し、全社展開しています。具体的には、生産活動の効率化に取り組み、ムダの排除という視点で、省エネとコスト削減の両立を図っています。また、建物設備については、空調設備などの適正な運転管理と老朽化設備の省エネ型設備への更新、照明の適正化やLED化を推進しています。 2012年度の主な取り組みとしては、一部主製品の工期削減と空調設備の運転最適化を行い、4事業所で年間約 128MWhを削減しました。

今後も引き続き、ムダの排除という視点で、省エネとコスト削減の両立を図り、CO2排出量の削減に取り組みます。

CO2排出量/生産高原単位の推移

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T5773メモリテスタ生産工期短縮による生産電力の削減

当社グループでは2012年4月より“お客様に必要な製品を必要な時期に必要なだけ提供する。”をスローガンに、納期遵守および棚卸資産削減とともに、生産活動における環境負荷低減を目的に活動を開始しました。

主な施策としてボード不良率低減を目標に活動を実施しました。ボード不良率が悪いとボード動作確認工程が必要になるため、ボード不良原因を関係部署と調査により対策を実施しました。これにより通過率を90%以上に高め、ボード動作確認工程を省くことを可能とし、工期を短縮することができました。
また、調整設備の有効活用を検討することで複数項目のチェックを可能にしました。これにより、上記活動と合わせ最適工程を組むことができ、生産工期を大幅に短縮しました。

これらの結果、T5773メモリテスタは生産開始から製品完成までの工期を13日から7日に短縮し、作業工数は36%の削減を実現しました。また、活動の成果として1ヶ月平均70,000kWhだった生産電力を46%削減し、32,220kWhにまで低減しています。2013年度は他機種への水平展開を図り、さらなる工期短縮を実施することで環境負荷低減に取り組んでいきます。

生産工期短縮による生産電力削減量

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テスタ用ボード製造の“段取り工数短縮”の取り組み

群馬第2工場ではテスタに使用するボードのアッセンブリーを行っています。2012年度は部品の自動機実装工程において、自動実装機の段取り工数を短縮することにより使用電力の削減に取り組みました。

ボードアッセンブリーの工期短縮を目指す上で、問題の一つになっていたのが自動機実装工程の機種切り換え回数の増加による装置稼働率の低下でした。
この問題を解決するため、多品種少量の生産でも機種切り換えによる段取り時間を減らす方法を検討しました。その結果、1回の段取りでより多くの品種が生産できれば、段取り回数および時間の削減が可能であることが分かりました。

従来、当社ではモジュラーマウンタ3台を単独で使用していました。各装置に1品種の生産毎に装置へ実装する部品をセットし、1品種で100種類前後の部品が使用され、機種切り換えの度に部品の脱着を繰り返していました。このため、生産数が少ないと装置稼働時間よりも段取り時間が長くなることがあり、装置稼働率の低下を招いていました。

この改善案として、単独で使用していたマウンタを3台連結し、1度にセット出来る部品数を3倍にしました。これにより1回の段取りで3~5品種の生産が可能となりました。また、懸念されていた各装置のタクトバランスの悪化の最適化を図ることで装置稼働率の低下を防止しました。

同時にテープフィーダーを追加導入し、フィーダーへの部品付け替え作業工程をなくすことで、段取り作業時間の削減と、付け替えで生じる部品仕損の発生を削減できました。

これらの結果、機種切り換えにおける段取り時間の削減は36h/日、62%の工数削減を実現しました。この効果としてモジュラーマウンタの作業人員数を8人から5人に削減することができ、削減分の人員をシフト勤務要員としたことでモジュラーマウンタの稼働時間を約2倍にすることが可能となりました。
また、月平均の使用電力量が30,296kwhから28,108kwhまで減少し、年間のCO2排出量換算で9,923kg/年の削減を実現しました。

モジュラーマウンタの改善

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空調熱源の改善によるCO2削減

群馬R&Dセンタでは、会議室の暖房設備を増強するため、既存の設備のポンプをインバータ化し、加熱用蒸気が利用できる熱交換機を追加しました。これにより、電力使用量の削減を図るとともに、温水温度がスムーズに上昇することで、館内全体の暖房効果を高めることができました。
さらに、屋上外調機の凍結防止制御システムの一部で無駄があることが判明し、温水弁開度を50%から10%に調整した結果、冷水と温水熱源の負荷が減少し、熱源機器の運転時間が少なることがわかりました。
この活動は、年間で重油換算50kl以上、CO2排出量135t以上の削減につながっています。