Probo No.41 のおもな内容 Probo No.41 のおもな内容

技術論文

実機電源環境のエミュレーション技術

執筆者 テクノロジー開発本部 第5開発部 FTテクノロジー開発2課 日下 崇 ほか
あらまし 本稿は、被試験デバイスの電源電圧変動を動的に制御する電源品質制御技術を提案する。提案方法は、半導体試験装置 (ATE) と実機における被試験デバイスの電源電圧波形の差に基づく補償電流を電源ノードに加算することにより、電源電圧変動をフィードフォワード制御する。ATEのデバイス電源の特性を表すインパルス応答とターゲット電圧波形から電源ノードに加算すべき補償電流を算出する方法を示す。プロトタイプ回路を用いたコンセプト実証実験の結果を示し、提案方式の限界、応用についても議論する。
Key Words なし

リアルタイム光超音波イメージング・システムによる熱傷深度診断

執筆者 新企画商品開発室 STeLSプロジェクト 伊田 泰一郎 ほか
あらまし 熱傷深度診断用にリニアアレイトランスデューサを用いたリアルタイム光超音波イメージング・システム(8~30fps)を開発した。このシステムを用いて損傷した組織の下の、損傷していない組織内の血液由来の光音響信号を検出可能である。ファントムを用いた実験では、生体組織を模擬した散乱体の媒質で、3㎜以上の深さに位置した薄い光吸収体を高コントラストで画像化できることが示された。さらにラット熱傷モデルを用いた実験においては、光超音波イメージング画像から見積もった損傷深度(血流遮断深度)が組織学的に分析した熱傷深度とよく一致した。これらの結果からこのシステムが臨床での熱傷深度診断に有効である可能性が示された。
Key Words なし

等価EVM方式による無線通信用デバイスの低コスト試験手法

執筆者 テクノロジー開発本部 第10開発部 アルゴリズム開発課 浅見 幸司 ほか
あらまし 近年、スマートフォンやタブレット端末は、複数の無線通信規格に対応している。そのため、通信用デバイスのテストでは、機器に搭載する複数の規格試験が望まれている。特に Error Vector Magnitude (EVM) 試験は、規格で決められた複雑なテスト波形と信号解析処理が必要となり、テスト開発期間やテスト時間が長くなる。そこで、規格に依存しない簡単な波形を用いた単一の測定データにより、様々な規格と等価なテストを行う「等価EVM方式」を考案した。本方式は、規格特有の補正処理に対応し、規格準拠した測定値と同等のEVM値を算出する。本方式の妥当性はT2000を用いた実デバイス測定により確認された。
Key Words なし

電子ビームスリムカラムの開発

執筆者 ナノテクノロジー事業部 山田 章夫 ほか
あらまし 著者らは、カラム外径寸法60mmおよび40mmで、パターンサイズ12nm以下のパターン描画に適用する、新しい電子ビームカラム(スリムカラム)を設計した。当該カラムの投影レンズ磁極における最大磁束密度は2.2テスラであり、すべてのレンズ磁極において磁気飽和は発生していない。当該カラムが作る成形ビームの12-88%エッジブラー値は12nm以下となるよう設計した。12nm 1:1ラインアンドスペースパターンを描画するためである。また、すべてのレンズコイルの発熱は、200ワット以下に収まるよう設計した。当該カラムは、高解像で外径寸法が小さいという特徴があり、シングルカラムまたはマルチカラムから構成される種々の電子ビーム露光装置に適用できる。
Key Words なし

インクジェットによる高アスペクト配線

執筆者 株式会社アドバンテスト研究所 田中 武 ほか
あらまし インクジェットを使った配線描画の微細化における課題はインクが着弾した後のインクの濡れ広がりをいかに抑制するかにある。本研究では有限要素法による熱流体解析を用いて実際の描画状態をモデル化することでインクの濡れ広がる挙動を把握し、レーザアシスト法による配線描画で重要となる温度条件を導き出すことを可能とした。今回、その解析手法と実験結果について紹介する。
Key Words なし

技術解説

CMOSイメージ・センサ・デバイスの撮像試験技術

執筆者 ソフトウエア開発本部 第2ソフトウエア部 長沢 浩
あらまし CMOSイメージ・センサ・デバイスから出力される画像データは、市場の変化とともに高画素化および高フレーム・レート化するようになってきた。また、デバイス出力I/F規格も多様化するようになってきた。そこで、テスタの出荷後でも画像データのプロトコル変換部の再構成が可能な T2000 3Gbps CMOS イメージ・キャプチャ・モジュール(3GICAPモジュール)と製品のアップデートや新たな規格への対応が可能な3GICAPモジュール・ソフトウエアを開発した。
Key Words なし

アプリケーション

マルチ・ドメイン・テスト - テストコスト削減の為の新たなテスト手法

執筆者 システムソリューション本部 SoCソリューション COE 野村 敏
あらまし マルチ・ドメイン・テストはテストコストを削減する為の新たなテスト手法です。これはマルチインサーション(マルチパス)で行うテストをコンカレント実行するというユニークなテスト手法です。このテスト手法はコンカレント・テストと同様にテスタリソースを有効に用いることが出来ますが、コンカレント・テストのようにデバイス側でDFT等を作りこむ必要はありません。またボード上のテスト回路もシンプルになります。
ここでは、マルチ・ドメイン・テストのコンセプト、V93000での実現方法、実デバイスでの結果について紹介します。
Key Words なし

テラヘルツ波による医薬品錠剤のコーティング評価技術と解析事例

執筆者 新企画商品開発室 TASプロジェクト TSD課 佐藤 直美 ほか
あらまし テラヘルツ電磁波の反射波を用いて断層イメージングを行い、医薬品錠剤の膜厚や密度分布を3D的に可視化できる TAS7500IM のハードウエアおよびソフトウエアの技術を解説し、その解析事例を紹介する。
Key Words なし