Probo No.43のおもな内容
技術論文
TaON保護膜GaN HEMTを用いた10MHz-12GHz帯低歪み高速SP4Tスイッチ
執筆者 | 株式会社アドバンテスト研究所 小山 慧 ほか |
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あらまし | RFテスタ用の10MHz-12GHz低歪み高速単極4投(SP4T)GaN RFスイッチを開発した。低周波領域の歪み特性を向上するため、窒酸化タンタル (TaON) 保護膜による低ゲートリークを特徴とする、弊社独自のショットキーGaN HEMTプロセスを用いた。開発したスイッチの3次インターセプトポイント (IP3) は10MHz~12GHzで52dBm以上、最終値から0.01dB以内に収束するセトリング時間は10μs以下である。本スイッチはTTL信号でステート制御するためのデコード回路もチップ内に集積している。 |
Key Words | なし |
ディジタル制御技術を用いた高付加価値DC試験技術の開発
執筆者 | テクノロジー開発本部 第3開発部 DCコア技術課 清水 貴彦 |
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あらまし | 近年の車載デバイスや携帯情報端末に搭載されるPower Management IC (PMIC) 等の多機能アナログデバイスでは、その試験で多種のレンジや負荷条件の切換えが必要となっている。それにともない、各試験項目の遷移時にモードやレンジなどの動作状態切換え時間が増加しており、この時間の短縮が課題となっている。さらに、高電圧を印加するデバイスにおいては、そのセトリング時間の短縮も課題となっている。そこで、ディジタル制御の優位性に着目し、試験時間を短縮する技術の開発を行った。 |
Key Words | ディジタル制御、ホールド、補助電流源、負荷同定、時変制御 |
静電容量型加速度センサーMEMSの微少容量/動特性測定技術
執筆者 | ASDテスト&計測事業本部 木村 伸一 |
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あらまし | 静電容量型加速度センサーMEMSの特性測定に関し、10fFレベルの測定分解能を持つ微少容量測定及び共振周波数特性の測定検証を行った。両測定とも、量産試験に適用する事が可能な試験時間を実現している。 |
Key Words | 加速度センサーMEMS、微少容量、共振周波数、機械的減衰特性 |
ジッタでぶれたサンプラ観測波形をきれいにする先進の方法
執筆者 | 元システム・ソリューション本部所属 大河原 秀雄 |
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あらまし | 伝送線路のインピーダンス不整合はDUT板上の信号品質を損なう。高速デジタル・インターフェース・デバイスのテストにおいて、デバイス出力ピンにおける波形を評価するために、いわゆるSパラメタ・ディエンベッディングという手法がしばしば適用されて、板により減少した振幅や波形歪を補償することが行われる。 ミックスド・シグナルATEはUHF信号をテストするために波形サンプラを搭載している。サンプラがアンダー・サンプリングするとき、観測された原波形はサンプル点数の順番を並べ替えて意味のある波形に変換される。この操作をコヒーレント波形再構成と呼ぶ。アンダー・サンプリングを行っているときに、テスト信号に含まれる低速ジッタやSSC(スペクトラム拡散クロッキング)は、再構成された波形に大きな影響を及ぼし、波形が著しくぶれて波形が見えなくなってしまう。きれいな波形が再構築されないため、Sパラメタ・ディエンベッディングも適用できなくなってしまう。 この論文で述べる取り組みの目的は、サンプラで取得した波形から低速ジッタの影響を取り除き、明瞭な波形を再構築することである。テスト信号は低速ジッタやSSCを含んだPRBS(疑似乱数バイナリデータ)ビット列である。PRBS信号は非常に広帯域のマルチトーン・スペクトラムになるため、そのような信号をサンプラで観測するためにはコヒーレント条件に基づいて注意深くテスト計画を立てる必要がある。 信号に含まれるジッタやSSCは一種の位相変調であるため、本来の線スペクトラムのまわりにスペクトラムが散らばってしまう。したがって信号処理の要点は位相変調信号を復調して本来のマルチトーン構造を復元することにある。搬送波トーン復元のためにきれいな数式を導出した。マルチトーン構造のため信号処理は各トーン成分ひとつひとつに適用する必要がある。最初に各トーンの位相変調効果を除去し、次いで各トーンは、原信号トーンのパワーと比べながら、振幅ロスを補正した。最終的に信号処理は明瞭なPRBS波形および大きく開いたアイ・パターンを再構成することに成功した。この論文では7Gbps 127ビットPRBS波形について詳細に解説し、さらにいくつか興味ある結果を解説する。 |
Key Words | なし |
アプリケーション
テラヘルツ波パワーの高精度測定技術
執筆者 | テラヘルツシステム事業部 システム開発部 技術開発SE課 西名 繁樹 |
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あらまし | 世の中では、量子カスケードレーザ等、各種の実用的なテラヘルツ光源の開発が盛んであるが、テラヘルツ波パワーの高精度測定の技術については、その標準が未整備なこともあり開発が遅れていた。われわれは、赤外線の標準技術からテラヘルツ波を精度良く校正が可能で、空間光テラヘルツ波を高精度測定する熱量計測型テラヘルツ・パワーメータTAS5500を開発した。本パワー標準の技術により、0.4THzから10THzの周波数範囲において11%(2σ)の不確かさで確度が規定されたパワー計測を実現した。 |
Key Words | なし |