Probo No.48のおもな内容 Probo No.48のおもな内容

技術論文

クロック波形変換技術を用いた高密度信号配線に対応した新クロストーク評価手法

執筆者 事業革新本部 アーキテクチャー開発部 中村 隆之 ほか
あらまし 近年、LSIの高集積化に伴いパッケージのピン数は増大し、高速信号伝送線路間でのクロストークが発生しやすくなっている。また、LSIデバイスの試験には、テストコスト削減のためにマルチサイトテストが行われ、LSIに接続される伝送線路はこれまで以上に集中して配線され、ますますクロストークが問題となる。さらに近年の評価システムでは、高速信号のチャンネル数が数万にも及ぶため、全てのチャンネルから受けるクロストークは大きく、そのクロストーク量の測定が強く望まれている。このような非常に多くのチャンネルのクロストークを従来の方法で測定するには、非常にたくさんのパルス信号発生器を使用するか、あるいは計測器と測定対象線路をつなぎかえながら繰り返し、測定を行う必要があるため、測定に長大な時間がかかり、測定時間が現実的でない場合もある。
本論文では、高速で低コストなクロストーク測定方法を提案する。この方式は、クロストークを、高い周波数分解能で高速に評価することが可能である。従来のように周波数を変えながら繰り返しクロストークを測定することなく、単一の測定データから、様々なクロックレートのクロストーク量を得ることができる。本方式はパフォーマンスボードやロードボードといったボード上に伝送線路が高密度に配線されるようなATE環境において特に高い有益性がある。
Key Words なし

デバイス試験におけるオーバキル・アンダーキルを解消する電源インピーダンス模擬技術

執筆者 テクノロジー開発本部 第5開発部 FTテクノロジー開発2課 石田 雅裕 ほか
あらまし 本稿は、任意の電源インピーダンスを模擬できる新しいタイプのATE向け電源回路を提案する。提案回路は、顧客の実機環境の電源インピーダンスを模擬でき、ATE環境における電源電圧変動波形を実機環境と一致させることができる。これにより、ATE環境と実機環境間の電源インピーダンス特性の差による電源電圧変動の違いを原因とするオーバーキル/アンダーキルを解消する。提案方式は、電源と並列に接続された電流源によって補償電流を注入することにより、等価インピーダンスを調整する。補償電流は、ATEの元の電源供給ネットワーク(PDN)と実機PDNのインピーダンス特性と電源電圧波形測定に基づいて、フィードバックでリアルタイムに算出され、電源ノードに印加される。プロトタイプ回路をもちいた実験結果により、補償電流によりインピーダンスを模擬でき、異なる2つの環境間の電源電圧変動波形がよく一致することを示す。提案手法の限界と応用についても議論する。
Key Words なし

ATE上で実現する、100-Gb/s光トランシーバへ適用可能な光インターコネクトのテスト手法

執筆者 ADS事業本部 ADTプロダクトユニット OTSプロジェクト 白幡 一樹 ほか
あらまし 劇的に増加するデータセンター内のデータトラフィックに対応するために、100-Gb/s光トランシーバ向けの量産試験手法が求められている。本論文は、ATE(Automated Test Equipment)上に構築した高速の電気/光信号測定機能を用いて光トランシーバを測定する手法を提案する。提案手法を用いることで、従来に比べて4.4倍の試験スループットを実現した。
Key Words high speed optical interconnection, ATE, high speed electrical interface, 100-Gb/s ethernet, QSFP, optical transceiver

技術解説

V93000によるRFICのマルチサイトテストを支える要素技術

執筆者 テクノロジー開発本部 第9開発部 RST開発課 白須 英貴 ほか
あらまし この記事では、高集積RFICのためのテストソリューションの開発について紹介します。RFテストにおけるマルチサイト効率を上げるためには、基本測定機能の密度と並列性を上げることが主要な課題です。また、IEEE802.11a/c, 4GやLTE Advancedのような最近の通信規格も測定できなければならず、さらに、高精度アプリケーションの試験要求を満たすために、低位相雑音化といった拡張性も求められています。ここでは、これらの課題を全て解決することができた要素技術について扱います。
Key Words なし

アプリケーション

M4871/72ハンドラにおけるHigh-Power Deviceに対応した温度制御ソリューション

執筆者 FA事業部 商品技術部 電装開発課 渡邊 克彦 ほか
あらまし 高性能GPUやサーバ向けプロセッサ等、消費電力の大きな高発熱デバイスのテストにおいて、デバイス内温度を厳密且つ俊敏に制御したいという市場からの要求が高まっている。これに対し一般的なハンドラの温度制御では、デバイス内温度を直接読む手段がなく、また高発熱デバイスの吸熱には限界があった。このような背景から、デバイス内温度計測インターフェース、高吸熱サーマルヘッド、高レスポンス温度制御アルゴリズムを開発し、これらの技術融合により高発熱デバイスに対応した温度制御ソリューションを提供した 。
Key Words なし