Probo No.49のおもな内容 Probo No.49のおもな内容

技術論文

ADC出力から折返し雑音無しアパーチャ・ジッタを測定するための新しい方法

執筆者 株式会社 アドバンテスト研究所 山口 隆弘 ほか
あらまし この論文はADCのデジタル出力から、ADCのアパーチャ・ジッタを直接測定する新しい方法を提案する。測定アパーチャ・ジッタは折返し雑音をもたない。さらに、折返し雑音を無くした、真のアパーチャ・ジッタに因る有効ビット数(ENOB)の劣化度を平均値や最悪値として直接測定できる。従来、有効ビット数試験は単一正弦波を少なくとも2回印加し、アパーチャ・ジッタを推定する。本提案法は単一正弦波を1回印加するだけで、アパーチャ・ジッタを算出できるから、その計算時間増加分は無視できる。したがって、本提案法は製品量産試験工程でも利用可能である。その全試験時間は大幅に短縮される。
Key Words なし

直交変復調と信号解析の基礎

執筆者 事業推進本部 テクノロジー統括部 第10開発部 アルゴリズム開発課 浅見 幸司
あらまし 近年のデジタル無線通信で重要な技術である直交変復調とその解析方法を紹介する。変復調をフーリエ変換に基づく単純な数式のみでモデル化し、ふるまいの図解を試みる。またRCpolyphase filterやヒルベルト変換を導入し、直交変復調との関係を考察する。応用例として、特に広帯域通信で問題となるI/Qインバランスのモデルを示し、評価時の入力波形と応答の解析方法を紹介する。
Key Words なし

左右非対称なトータルジッタ分布に対するジッタ分離およびBER推定方法

執筆者 事業推進本部 テクノロジー統括部 第5開発部 FTテクノロジー開発2課 一山 清隆 ほか
あらまし 本稿は、左右非対称なトータルジッタ分布を解析するための高速フーリエ変換に基づくジッタ分離技術およびモデルベースのビット誤り率(BER)曲線推定技術を提案する。提案手法は、偶関数と奇関数で表される分布をもつ左右非対称な確定ジッタ分布モデルを仮定する。また、測定されたトータルジッタヒストグラムからモデルパラメータを同定することにより確定ジッタとランダムジッタを分離し、同定された分布モデルに基づいてBER曲線を推定する。実験により、提案手法が既存の方法より正確にジッタとBER曲線を解析できることを示す。提案手法の利点と限界についても議論する。
Key Words なし

アプリケーション

V93000 Time Measurement Unit(TMU)によるジッタ伝達関数を考慮したジッタ測定

執筆者 営業本部 システムソリューション統括部 第2 SoC システム・エンジニアリング SoC SE3 飯野 隆之 ほか
あらまし 本稿ではV93000 SmartScale世代のデジタル・カードが内蔵するTime Measurement Unit(TMU)を用いた新たなジッタ測定のアプローチを実例と共に紹介する。高速シリアル・インタフェースの送信器試験においては依然としてジッタ測定が重要なパラメータとして実施されている。本稿で提案するTMU及びDigitalSignal Processing(DSP)技術を用いたソフトウェアClock Recovery Uni(t CRU)手法によるジッタ測定では、TMUで取得した波形のエッジ位置と理想エッジ位置の差から波形のゆらぎを算出し、DUTのテスト規格で規定されるCRU特性に基づいたジッタ伝達関数をDSPで実現することにより、受信器のクロック再生を考慮した「真の」送信器ジッタを測定することが可能となる。アプリケーションへの適用例として、複数のジッタ周波数成分を含みさらにジッタ振幅が1 Unit Interva(l UI)を超える実際の12 Gbps送信器デバイス出力の測定を例に取り、その優位性と実用性を解説する。
Key Words TMU、ジッタ、ジッタ伝達関数、CRU、クロック重畳

ILTマスクの高精度EPE測定とリソグラフィ・シミュレーション

執筆者 ナノテクノロジー事業本部 第2商品開発部 ソフトウエア開発課 近藤 悟 ほか
あらまし 半導体デバイスの原版であるフォトマスクの回路パターンは複雑化が進んでおり、Inverse Lithography Technology(ILT)による曲線的なパターンのCritical Dimension(CD)測定とプロセス管理がますます重要になっている。
本論文は、最新機種E3640が、主に、Edge PlacementError(EPE)測定とリソグラフィ・シミュレーションという2つのアプリケーションを使うことによって、複雑なILTパターンを高精度に測定できることを紹介する。
Key Words なし