Probo No.53のおもな内容 Probo No.53のおもな内容

技術論文

5GおよびWiGig対応ATE向けコンバイナ/ディバイダのPCBデザイントポロジーに関する一考察

執筆者 Advantest Europe GmbH Giovanni Bianchi ほか
あらまし 新しい5GおよびWiGig規格は、それらの技術を実現する集積回路の試験と測定に新たな課題を提起している。主な課題は、非常に高い周波数(例として5Gで44GHz、WiGigで72GHz)と非常に多くのポート数(例として16から最大では64に達する)であり、これらの規格で位相配列アンテナを使用していること、および単一のICで多くの規格と周波数に対応する必要があることから生ずるものである。
これらの集積回路は消費者市場に向けたものであり、試験コストが重要な要素になる。このため、量産試験では、複数のRFポートを単一のポートに結合して単一の測定機器ポートで測定できれば有利になる可能性がある。この方法は半導体試験装置(ATE)業界で時に「並列給電」と呼ばれるものに相当する。
この方法により、複数の測定RFポートを備えたATEシステムを使用して複数の集積回路を並行して試験し、結果としてコストを削減することができる。しかし、この方法はウェハーレベルの集積回路または集積アンテナを持たない集積回路パッケージのみに有効である。一方、5GおよびWiGigに対応するデバイスの中には、パッケージに位相配列アンテナが組み込まれたものがある。この場合は無線通信を利用した試験(OTA試験)が必要となるが、それは本論文では扱わない。
Key Words なし

52 Gbps PAM4信号インタフェースの量産試験向けジッタ印加モジュール

執筆者 ATEビジネスグループ テクノロジー開発本部 テクノロジー統括部 第5開発部 FTテクノロジー開発2課 一山 清隆 ほか
あらまし 近年の高速データ伝送では、より高いデータレートを実現するために、2値信号方式の代わりにパルス振幅変調(PAM)のような多値信号方式がもちいられる。PAM受信器の試験においては、ジッタやノイズをもつ試験信号をもちいるストレス試験が重要である。本稿では4値PAM(PAM4)信号向けのジッタ印加モジュールを紹介する。このモジュールは、2つの26 Gbps NRZ信号から52 Gbps PAM4信号を生成し、PAM4信号に周波数1 GHzまで、振幅100 psまでのジッタを印加することができる。実験により、PAM4信号にサイン波ジッタ、ランダムジッタ、有界非相関ジッタを印加できることを示す。このジッタ印加モジュールを既存のATEと組み合わせることにより、高速PAM4信号インタフェースの低コストなジッタ耐力試験を提供できる。
Key Words high-speed interface testing, pulse amplitude modulation, jitter injection, production testing, ATE

アクティブ磁気キャンセラを用いた心磁図計測技術

執筆者 (株)アドバンテスト研究所 緒方 祐史 ほか
あらまし 心磁図は心臓の電気的活動を高分解能で測定できるため、疾患の部位特定に有効であるとされている。しかし、従来の心磁図計測装置は磁気シールドルーム内での測定を前提としており、測定場所の制限や導入コスト等の問題があった。そこで、磁気シールドルーム外での心磁図計測を実現するための課題である環境磁気ノイズの影響を解決するために、アクティブ磁気キャンセラ及び独自の信号処理技術の開発を行った。
Key Words なし

アプリケーション

ATEでのMEMSセンサ量産化技術

執筆者 営業本部 システムソリューション統括部 T2000 SE部 A&P2課 斉藤 稔 ほか
あらまし IoT、車載市場において成長著しいMEMS(micro-electromechanicalsystems)センサのATE(Automated Test Equipment)でのテストソリューションを紹介する。MEMSセンサの検査では、高難度の測定が必要とされる。10pA以下の電流、10pF以下の容量、100μV以下の電圧の測定がそれに該当し、現状ではその測定に外部計測器を用いているが、GPIB通信時間がネックで測定時間が長く、量産効率が悪いという課題がある。これらの項目について、計測器を使用せずに高精度かつ高速に試験する技術を加速度センサ・圧力センサを例に紹介する。
Key Words なし