Probo No.55のおもな内容
技術論文
強誘電体薄膜を用いた光集積回路
執筆者 | (株)アドバンテスト研究所 阿部 峻佑 ほか |
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あらまし | 強誘電体材料を使用した光集積回路(PIC)は、大きな電気光学係数をもつことから、多くの用途への応用が期待されている。本研究では、強誘電体であるランタン・ドープ・ジルコン酸チタン酸鉛(PLZT)薄膜を独自のゾル・ゲル法によりエピタキシャル成長させ、高い電気光学係数(>120 pm/V)と低伝搬損失(1.1dB/cm)を実現することで、高速光変調器、スポット・サイズ・コンバータ(SSC)、可変光減衰器(VOA)を強誘電体薄膜上に集積化したPICの開発に成功した。作製した光変調器(マッハ・ツェンダー型)の半波長電圧(Vπ)は6.0 V(Vπ L =4.5 Vcm)、光変調動作は最大56 Gb/sであり、集積化されたVOAは減衰レンジ26 dB以上を得た。以上の結果から本研究では強誘電体薄膜を用いた光集積回路の有用性を明らかにした。 |
Key Words | なし |
STT-MRAMテストのための新しい磁場印加メモリ・テスト・システム
執筆者 | 営業本部 システムソリューション統括部 メモリSE部 GMS課 田村 亮 ほか |
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あらまし | 我々は、Spin-Transfer-Torque Magnetic Random AccessMemory(STT-MRAM)をウエハ・レベルでテストするために、メモリ・テスト・システムと300mmウエハ・プローバに電磁石を組み合わせた新しいメモリ・テスト・システムの開発に、初めて成功した。開発したメモリ・テスト・システムでは、300mmウエハの10x10mm2の領域に対して、2.5%以下の精度で最大±800mTの垂直磁場を印加することが可能である。我々は、試作した2Mb STT-MRAMをテスト・チップとして、「0」/「1」状態のPASSビット率の磁場依存性、Read/Writeシュムー・プロットの磁場依存性、「0」/「1」データのリテンション特性の磁場依存性の評価を行った。すべての特性は、STT-MRAMの基本的な理論により説明できる特性であった。これらの評価により、我々は、電磁石により、STT-MRAMの磁場耐性の特性を評価するのに十分な磁場を印加できることを証明した。開発した電磁石を搭載したメモリ・テスト・システムは、STTMRAMにとってキーとなるテスト・ツールである。このシステムは、STT-MRAM試験のテスト効率向上だけでなく、外部磁場の影響を受けやすいSTT- MRAMの応用範囲拡大にも貢献する。 |
Key Words | なし |
高電圧DC試験におけるディジタル制御技術の開発
執筆者 | ATEビジネスグループ テクノロジー開発本部 テクノロジー統括部 第8開発部 DCコア技術課 清水 貴彦 ほか |
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あらまし | 近年、地球環境保護に関する課題から省エネルギー化に関連するデバイスの需要が増加しており、それにともない高電圧パワーデバイスの需要も高まっている。それらのデバイス試験においては高電圧を扱う試験装置(以下、試験装置)が必要になり、例外なく試験時間短縮による製造コスト低減が求められている。しかし、従来は印加する電圧が高いために目標電圧までのセトリング時間が増加する課題があった。 そこで、ディジタル制御の優位性に着目し、上記の試験時間を短縮する技術開発を行った。 |
Key Words | セトリング時間、ディジタル制御、時変制御、スタック接続、チャンネル間協調 |
半導体試験装置製造のメトロロジー
執筆者 | Advantest Europe GmbH ATE Business Group 93000 Business Unit Piotr Skwierawski ほか |
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あらまし | 新たなテクノロジーには、技術的仕様を決定および認定するための効率的な認定の基盤が必要である。メトロロジーは実績ある国際基準に基づいて、一般に認められている仕様設定プロセスを決定する科学である。 本稿では、半導体試験装置ビジネスにおけるメトロロジーとその役割、有益性について述べる。 |
Key Words | メトロロジー |
技術解説
M4841 空冷Active Thermal Control機能の開発
執筆者 | DH事業本部 DH開発統括部 DT開発部 先行技術開発課 山田 祐也 ほか |
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あらまし | 近年、自動車に使用される半導体デバイス(車載向けデバイス)は、高機能化に伴いテスト時の発熱量が増加している。車載向けデバイスでは低温から高温まで広範囲な温度域でのテストが要求されるが、これに加えデバイスの自己発熱による温度上昇を抑制する機能であるActive Thermal Control(ATC)が求められている。 本項ではワイドレンジ温度印加(-55℃~+175℃)とATCを両立したテストハンドラM4841(図1)に搭載される“空冷ATC機能”について解説する。 |
Key Words | なし |
MIPI D-PHY/C-PHYに対応したCMOSイメージセンサ・キャプチャ・モジュールの開発
執筆者 | ATEビジネスグループ T2000事業本部 ADTプロダクトユニット ADT開発部 ISD開発課 有山 雄司 |
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あらまし | 近年のスマートフォン・カメラの高画素化に伴い、CMOSImage Sensor (CIS) デバイスの画像転送のデータレートの高速化が進んでいる。画像転送のインターフェイスには、これまで主流のMIPI規格のD-PHYに加え、C-PHYも採用され始めている。我々はこれらのインターフェイスを用いたCISデバイスを測定可能な4.8Gbps Image sensor CAPture module (4.8GICAP) を開発した。 |
Key Words | なし |
アプリケーション
8GDMによるC-PHY信号+ジッタ生成
執筆者 | 営業本部 システムソリューション統括部 T2000 SE部 CIS課 鈴木 健吾 |
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あらまし | MIPI C-PHYインタフェースに対応した4.8Gbps CMOS イメージ・キャプチャ・モジュール(4.8GICAP)を検査するため、8GbpsDigital Module(8GDM)の3値ドライバ・パターンとタイミング・エッジ・シフト機能を用いて、C-PHY信号の生成とジッタを印加する方法を確立した。本稿では8GDMをC-PHY信号源とするための前提知識や課題と解決方法を解説する。 |
Key Words | なし |