Probo No.58のおもな内容
巻頭言
デジタル変革による新サービス創造と実践に向けて
執筆者 | 名古屋商科大学ビジネススクール 教授 澤谷 由里子 様 |
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あらまし | 最初に、成功の方程式が徐々に変化していることをお話しします。次に、情報技術あるいはデジタル技術を使って新しい価値をつくっている企業の事例を見ながら、サービスシステムとして問題領域を捉えるということについてお話ししようと思います。このサービスシステムとは、提供者側と顧客側を分離して考えるのではなく、1つのシテスムとして考えるということです。そして、ネクストステップで、私たちは何をしていけばいいのか、今後の方向についてお話しします。 |
技術論文
時間領域反射率測定と開放-短絡正規化法による分岐回路の迅速な配線不良の特定
執筆者 | Advantest (Singapore) Pte. Ltd Sales & Marketing Department Yang Shang ほか |
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あらまし | 電気-光サンプリング方式を採用したパルス時間領域反射率計(Advantest TS9001 TDR)は、配線からの反射信号(TDR波形)をフェムト秒オーダーの優れた時間分解能で解析できることから、配線の欠陥箇所を迅速に識別できる。ただし、配線が複数に分岐されている場合、その反射波形は複雑になり、従来の方法で欠陥箇所を特定することは困難である。一般に、欠陥のある配線からのTDR波形は、欠陥依存反射(Defect-Dependent Reflection:DDR)と欠陥非依存反射(Defect-Independent Reflection:DIR)の合成波と考えることができる。DDRは欠陥のある配線にのみ起因する反射成分であり、 DIRは欠陥のない配線に起因する反射成分である。分岐された配線の欠陥を特定するには、TDR波形からDDRを抽出する必要があるが、DDRはDIRに埋もれてしまう場合が多い。本論文では、分岐のあるDUT内の欠陥を簡便な波形演算からDDRを抽出する開放-短絡正規化 (Open-shortNormalization: OSN) 法を新たに提案し、これに関する方法論と、評価基板を用いたTDR測定による検証結果について述べる。 |
Key Words | high-resolution, TDR, open-short normalization, branches, defect identification, defect-dependent reflection (DDR), defect-independent reflection (DIR) |
GaNを用いた半導体試験装置向け8 Gbps高速リレーMMIC
執筆者 | (株)アドバンテスト研究所 小山 慧 ほか |
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あらまし | 窒化ガリウムを用い、半導体試験装置向け8 Gbps高速リレーMMICを開発した。試作したMMICをQFNパッケージに実装して評価し、0.3 nAのリーク電流、12 GHzの3 dB帯域、8 Gbpsにて試験仕様上十分なアイ開口を確認した。2チャンネルを集積したパッケージの外形は2.0×2.4 mmであり、既存の光半導体リレーの1.45倍のチャンネル密度を達成した。 |
Key Words | 窒化ガリウム、MIS-HEMT、RFスイッチ、半導体試験装置 |
技術解説
ミリ波帯第5世代通信規格向けデバイス試験用フロントエンドモジュールの開発
執筆者 | ATEビジネスグループ テクノロジー開発本部 テクノロジー統括部 第9開発部 MMW開発課 工藤 隆洋 ほか |
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あらまし | この記事では、ミリ波帯第五世代通信規格向けデバイス試験用フロントエンドモジュール開発について述べています。ミリ波帯第五世代通信は53GHz帯までの使用が予定されています。私たちの課題はEVM試験電力範囲の拡張、1ポートSパラメータ測定機能の新規追加を含めたテストシステムの53GHzまでの最適化です。これら課題を解決する要素技術について記述します。 |
Key Words | なし |
アプリケーション
イメージセンサデバイスのエミュレーションによる開発・量産TAT短縮方法
執筆者 | 営業本部 システムソリューション統括部 T2000 SE部 CIS課 依田 武久 ほか |
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あらまし | T2000 4.8Gbps Image CAPture module(4.8GICAP)リリースにより、MIPI D-PHY/C-PHYなどの高速インタフェースを搭載したCMOSイメージセンサデバイス(CIS)の画像データをキャプチャできるようになった。高速インタフェースを搭載したデバイス測定でFAILが多発するような問題が発生した際に、デバイス、測定環境、テストプログラムのどこに起因してデバイス測定がFAILするのか問題点を切り分けることが難しく、問題点を特定するまでに時間を必要とするが、製品リリースのためのTAT期間は短くなっている。このような状況でもテスト環境の開発を進めるために、4.8GICAPなどのキャプチャモジュールでキャプチャした画像データをパケットとして復元し、T2000 8Gbps Digital Module(8GDM)パターンでCISデバイスをエミュレートする独自のテスト開発環境を構築した。 |
Key Words | なし |