Probo No.59のおもな内容
巻頭言
グーグルの製品開発手法:チームの創造性を最大化するために
執筆者 | 慶應義塾大学大学院 教授 岡田 正大 様 |
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あらまし | 今日はGoogleの製品開発手法、組織の経営手法についてお話しします。どのようにしてエンジニアに能力を100%発揮してもらうのか、Googleは非常にユニークな工夫をしています。 2005年にGoogleのマウンテンビューの本社に取材に行きました。セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジの2人が起業してから6~7年たったころで、当時の従業員数は4,600人ぐらいでした。しばらくは、Googleの事例は日本のピラミッド型組織とは相いれないため、興味を示していただけない時代が続きましたが、その後、360度型、ティール型、エッジ型など、いろいろと組織を変えていこうという風潮が出てきて、ここ4~5年前くらいから、Googleの創業以来の原型が留まっていた時代のコンテンツに耳を傾けてもらえるようになりました。 Googleは最新で15万人の従業員、時価総額は97兆円、1人当たりの時価総額は6億4,000万円ぐらいです。御社の1人当たりの時価総額はGoogleの半分くらいで、他の日本企業と比べると極めて大きく、それはまさに御社の技術力を立証するエビデンスといえます。これをさらに大きくしていただけるよう、今日のお話が少しでも参考になればと思います。 |
技術論文
モードロックファイバレーザおよび光ファイバアンプを用いたチェレンコフ型位相整合によるLiNbO3光導波路からのテラヘルツ波発生
執筆者 | (株)アドバンテスト研究所 岡田 隆典 ほか |
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あらまし | 本研究では、LiNbO3に形成した導波路を用いたチェレンコフ型位相整合方式により安定なテラヘルツ波を発生させるため、耐環境性能を改善したモードロックファイバレーザ及び光増幅器を新たに開発し、平均パワー50 mW、繰返し周波数50 MHz、パルス幅50 fsの尖頭値の高い超短光パルスを発生させた。チェレンコフ型テラヘルツ発生器に光パルスを入射することで、パルス幅146 fs、帯域幅7 THzの広帯域なテラヘルツ波を発生することが可能になった。 |
Key Words | LiNbO3 waveguide, Cherenkov-type phase-matched, half-conic silicon lens, terahertz source, femtosecond lasers, mode-locked fiber laser, optical soliton, erbium doped fiber amplifier |
ハイ・パフォーマンスCPUを活用した新テスタ・パーサイト構造によるソフトウェア実行時間の短縮
執筆者 | ATEビジネスグループ テクノロジー開発本部 テクノロジー統括部 第2開発部 TP開発2課 千本 智則 ほか |
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あらまし | 従来メモリ・テスト・システムは、テスタ・プロセッサとしてSOM(System On Module: CPUやチップセット、メモリなどコンピュータの基本機能が1つのモジュールに実装された組み込み用途向けのコンピュータ)を採用しデジタル・モジュール内に実装している。これによりモジュールとCPUの高帯域IFを直に接続することによる高速データ通信およびテスト・システムの設置面積低減を実現している。 しかしこの方式だとCPU消費電力やサイズに制限があり汎用コンピュータに比べて基本性能が劣る、柔軟なコンピュータ・リソースの割り付けが困難になるといった課題があった。 よって本論文ではこれらの課題を解決するためにメモリ・テスト・システムの新規テスタ・パーサイト構造を提案する。新規構造ではテスタ・プロセッサとしてメニー・コアと動作周波数の高速化を両立したCPU性能をもつデータ・センタ向けサーバを採用した。加えてメニー・コアの優位性を最大限活かすため、TBUS IF(Tester Bus Interface:テスタ・プロセッサとモジュール間を接続するIF)を多数個デジタル・モジュール制御可能にしたMultiport TBUS IF Cardを考案した。 これによりCPU Core毎にデジタル・モジュールを個別制御可能にし、CPU性能の向上と柔軟なコンピュータ・リソースの割り付けを両立させたシステムを構築することでソフトウェア実行時間の短縮を実現した。 |
Key Words | なし |
Adaptive Probe Cleaning(APC)による検査コスト削減
執筆者 | フィールドサービス本部 FSビジネス統括部 Service Design部 GAIA開発センタ 杉村 一 |
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あらまし | ATEの検査対象デバイスは年々高度化している。それに伴い検査コストも上昇している。これに対処するために様々な試みが成されてきた。主に、テスト時間、同時テスト個数、テスト手法、機材や治具の最適化が注力の対象となってきた。我々は従来注目されてこなかった、プローブ・カードのコスト削減に注目し、A.I.を用いたAdaptive Probe Cleaning (APC)を開発しこの削減に成功した。APCの技術と効果について紹介する。 |
Key Words | プローバ、プローブ・カード、A.I.、検査コスト、テスト・コスト、オンライン・クリーニング、ソート・テスト、ウェーハ・テスト |
技術解説
GDDR7向け16Gbaud PAM3 V93000 BOST Solution
執筆者 | ATEビジネスグループ テクノロジー開発本部 テクノロジー統括部 第5開発部 渡邊 大輔 ほか |
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あらまし | 次世代グラフィックメモリ規格であるGDDR7では、インタフェースにPAM3を採用し、かつデータビット幅を増やすことでGDDR6の約2倍にメモリ帯域幅を増大させる。メモリメーカー各社からはR&Dの早期段階からPAM3信号テスト可能なソリューションが求められている。我々はV93000の高速DMを用いたBOSTソリューションとして、16Gbaud PAM3テスト環境を開発したので紹介する。 |
Key Words | なし |
アプリケーション
RDKによるテスト・プログラム開発の容易化とTAT短縮化
執筆者 | 営業本部 システムソリューション統括部 T2000 SE部 SoC 2課 山口 安紀 |
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あらまし | T2000でのテスト・プログラム開発の容易化とTAT短縮を目的としたソフトウェアRDK(Rapid Development Kit)がリリースされた。本稿では既存のT2000テスト・プログラム(OTPL +テストクラス)をRDKスタイルのプログラムに変換し、RDKのユーザビリティ、パフォーマンスについて評価した結果を紹介する。 |
Key Words | なし |