Probo No.60のおもな内容
巻頭言
半導体装置メーカーが競争力を向上させる方法 ―半導体の微細化は2035年まで続く―
執筆者 | 微細加工研究所 所長 湯之上 隆 様 |
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あらまし | 今日は、半導体装置メーカーがどうしたら競争力を向上させることができるのかということをお話ししたいと思います。はじめに自己紹介をします。次にイノベーションと競争力を定義した上で、講演の目的を示します。この講演の目的に従って、幾つかケーススタディーを述べて、装置メーカーが競争力を向上させる方法を提案します。最後に、半導体の新会社Rapidusについての見解をお話ししたいと思います。 |
技術論文
独立成分分析を用いた関心信号と環境磁気ノイズの分離
執筆者 | (株)アドバンテスト研究所 米垣 賢治 ほか |
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あらまし | 近年、磁気計測の需要は生体医療、構造物検査、食品製造、資源探査など多岐にわたっている。しかし、一般的に測定対象がつくる磁場(関心信号)のみならず環境磁気ノイズが同時に存在するため、測定に困難が生じる。この問題に対処するため、独立成分分析によって磁気センサアレイで取得するデータから関心信号と環境磁気ノイズを分離することを検討した。本稿では、磁気計測における独立成分分析の信号分離性能について検証した。関心信号と環境磁気ノイズの相関係数をパラメータとし、分離した信号と理論値との一致度を評価したので報告する。 |
Key Words | 独立成分分析、環境磁気ノイズ、センサアレイ |
マイクロLEDデバイスのElectrical-Luminescence(EL)および電気特性試験を包括したテストコスト削減へのブレークスルー
執筆者 | Applied Research & Venture Team (ARTeam) Japan Lab 長谷川 宏太郎 ほか |
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あらまし | マイクロLEDディスプレイの市場導入においてはコスト削減が最も大きな課題となっている。この緊急性のあるコスト削減において最も重要となるのが、EL試験でいかに同測化を進めていくかにある。本論文ではコスト効率の高い新規測定手法PEMP™による、EL試験と電気特性試験を含めた包括テスト手法とその効果および結果を説明する。 |
Key Words | Micro-LED, Mass Production, High Throughput, test efficiency |
技術解説
inteXcell(MC5041)向け制御システムHC-Xの開発
執筆者 | DH事業本部 DH開発統括部 DT開発部 共通技術開発課 芦澤 拓郎 ほか |
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あらまし | inteXcell(MC5041)は、フロア・テスト効率を上げるため1台のシステムに複数のテストセル(テストヘッド)やデバイス搬送機構を持ち、顧客テスト環境に合わせた最適なセル構成にすることで最大のテスト効率を発揮することが可能である。そのためには、ユニット拡張性に優れ、システムの最大電流が制限できる制御システムが必要であった。従来機種では、モーション・コントローラや温度制御の機能毎に異なる制御ネットワークを使用しており、それらの制約によってユニット拡張性に乏しかった。異なる機能間で使用可能な通信ボードを開発することで1つのネットワークに統一し、ハードウェア構成の自動検出およびユニット毎のダイアグを可能にした、拡張性・生産性に優れたハンドラ制御システム「HC-X」を開発した。 |
Key Words | なし |
アプリケーション
V93000 Link Scale™による高速スキャン試験とSW-based functional testの実現
執筆者 | 営業本部 システムソリューション統括部 V93000 SAE部 COE 飯野 隆之 ほか |
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あらまし | 本稿では、従来に無い全く新しいコンセプトの高速デジタル・カードであるV93000 Link Scaleが実現する、高速スキャン試験とSW-based functional testについて紹介する。当社が開発したV93000 Link Scale(図1)はSoCデバイスで広く普及している高速インタフェースであるUSBやPCI Express (PCIe)を利用することで、従来のスキャン試験手法をさらに拡張・効率化して量産試験コストが増加することを防ぐことができる。さらにSW-based functionaltestという概念でデバイス動作検証および試験を行う環境も提供する。本稿ではこれら先端大規模SoCデバイスに関する試験課題と解決策およびV93000 Link Scaleの実用性を解説する。 |
Key Words | スキャン試験、高速インタフェース(HSIO)、システム・レベル・テスト(SLT)、設計検証(DV) |