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“先端技術を支える企業”としての社会的責任を胸に

私たちアドバンテストは、半導体検査装置のトップメーカーとして、「計測・試験技術」を通じて世界中の産業の発展を支えてきました。計測・試験技術は“マザーテクノロジー”と呼ばれるように、より良い製品を生み出すための母体となる技術です。今や半導体があらゆる産業分野で使用されていることを考えれば、私たちの提供する技術や製品が、社会全体の信頼性や安全・安心を支えていると言っても過言ではなく、その意味では、私たちのCSRは事業そのものだと言えます。

私たちは、今後も先端的な計測・試験技術を磨き続けることで、最先端の技術開発を、そして産業社会の発展を支え、世界の人々の安全・安心を保証し続けていきたいと考えています。こうした使命感を端的に示したものが、当社の経営理念「先端技術を先端で支える」であり、行動指針「本質を究める」です。これらに加えて、「経営理念と行動指針の下で、持続的な発展と企業価値の向上を目指します」というCSR基本方針のもと、社員一人ひとりが失敗を恐れずに挑戦することで、先端技術の創造と、より豊かな社会の実現に貢献してまいります。

旧全社運動「1000Days」—飛躍に向けた基盤づくり—

昨今の半導体業界を取り巻く環境は厳しいものがありますが、当社は2009年7月から「1000Days」と名付けた全社運動をスタートさせ、「2011年度までの3年間の合計での黒字化」を目標に取り組んできました。経営陣と社員が一体となって、中期的な視点で改善活動を積み重ねてきた結果、1000日後の2012年3月末までに、社内から1600件を超す活動テーマの応募があり、業務効率化やコスト低減などに大きな成果を上げることができました。

目標とした黒字化については、旧Verigy社との統合費用を除く営業利益ベースで実現できており、充分な成果が出ていると考えています。それ以上に重要なのは、「1000Days」活動を通じて、社員が自発的に改善テーマの発掘に取り組む意識や、部門や国境などの枠組みを超えてチームワークを発揮できる風土が根付いたことであり、今後の飛躍に向けた強固な基盤づくりができたと実感しています。

新たな全社運動「ACT2014」をスタート

2012年4月に実施した旧Verigy社との統合前に2社合計で39%だったマーケット・シェアが、統合後には47%まで向上していますが、これは両者それぞれの強みを活かしてニーズ対応力を強化した結果にほかなりません。

統合により世界トップシェアを確保したということは、社会に対する責任がより大きくなったということでもあります。そこで、より多くの顧客や社員、地域住民に影響を与えることを強く意識しながら、統合シナジーの最大化を図るため、新たな全社運動として「ACT2014」をスタートしました。

ACTとは「Advantest Culture Transformation」を意味しており、旧Verigy社と文化の融合を進め、新生アドバンテストとして変革し、チャレンジしていく強い意志を示しています。その一貫として策定したのが、資格、報酬、教育制度をグローバルに一元化した新人事制度「ARMS(アームズ)」です。この制度により、社員の積極的なチャレンジを可能にすることで、成長意欲を喚起し、社員の成長とともに会社全体が成長する企業文化を育んでいきたいと考えています。

失敗を恐れず、新たな事業分野への挑戦

ACT2014では、コア事業であるテストシステムでのさらなるシェアアップに加えて、新事業関連の規模を4倍にすることを掲げています。

私たちはこれまで、主に半導体製造分野に技術と製品を提供してきましたが、当社のコア・コンピタンスである「計測・試験技術」は、本来、適用範囲が非常に幅広く、生活全般に応用が可能です。そこで、今後は従来の事業分野にとらわれることなく、失敗を恐れず新たなフィールドに挑戦していきます。

なかでも注力しているのが、医療や環境、エネルギー分野など、これからの社会の課題となる事業領域です。例えば医療分野では、皮下組織の損傷状態などを安全に検査できる「光超音波イメージング診断システム」を開発するなど、計測・試験技術を活かした医療診断の高度化に貢献しています。

今後もチャレンジする企業文化と技術的な強みを活かして、幅広い分野のお客様の声に耳を傾けながら、付加価値の高い製品開発を進め、社会的な課題の解決とACT2014の目標を同時に達成していきます。

世界トップメーカーとしての社会的責任を果たすために

私たちは、世界トップのシェアを持つ企業として、グローバル社会に与える影響の大きさを自覚し、これまで以上にCSRを重視していかねばなりません。当社の事業活動そのものがCSRであることを考えれば、まずは、より柔軟でスピード感のある経営体制を構築し、不透明な経済状況のなかでも事業継続という責任を果たしていくことが大切だと考えています。

また、事業活動と地球環境の調和に向けて、環境方針のもとに「アドバンテスト・グループ環境行動計画」を策定し、グループ全体で環境経営に取り組んでいます。2012年度は、第5期行動計画の最終年度であり、環境負荷の低減に寄与する“グリーン製品”の開発に努めるとともに、震災以降の節電対策など社員の環境意識向上につながる取り組みを継続していきます。

なお、こうしたCSRの取り組みをより効果的に推進すべく、世界規格であるISO26000を参考にして、自らの活動を評価しています。行動指針「本質を究める」の言葉通り、この過程で自らの強みと弱みを明らかにし、「アドバンテストらしいCSRとは何か」を追求しワールド・ワイドにさらなる変革をしていくことで、世界のあらゆる社会から信頼される“真のグローバルカンパニー”へと成長してまいります。

そのためには、ステークホルダーの皆様との、より密接なコミュニケーションが重要だと考えています。ステークホルダーの皆様には、今後ともご理解ならびにご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。